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【記名のお願い】 だいぶ寒くなってきました。皆さまコート類を何枚もお持ちで、気温や気分で替えておられるようです。ただ、名前を書かれていない事が多く、お送り間際に「私のではない」と言われて、お送りの時間が遅くなったこともあります。『コート類』『靴』には、お名前の記入をお願いします。

新年あけまして  おめでとうございます

 新しい年、2023年が始まりました。
  本年も“ももたろう” をよろしくお願いいたします。

 振り返ってみますと2006年8月1日に“デイサービス ももたろう” を始め、はや17年4カ月が経ちました。はじめは10人定員で、男性も何名かいらっしゃいました。今は20人定員となり、ここ4年程は女性だけのデイサービスです。手先を使う『押絵』『絵手紙』『パステルアート』『水切り絵』『書道』などの手芸が活動の大半を占めていましたので、どうしても男性からは遠慮されがちで今日に至っています。ただ残念なことに、年々手先を使う活動のできる方が少なくなり、2階に上がれる方も減っています。

 『デイサービス ももたろう』を始めたきっかけは、実の母が大きく関係しています。私がまだ勤めに出ていた頃、89歳の母を市内のデイサービスに通わせていました。その母が、要介護1から要支援2の認定になり、介護保険でデイを利用できる日数は少なくなりました。自費でも利用したいと思い、母に相談してみました。すると「1日、幾らぐらいかかるの?」と聞かれ、幾らと答えると急に怒り出しました。「家にいても一緒よ!」の言葉で決心がつきました。母はあと何年も生きられないだろうから、母の大好きな『手芸』『書道』『絵』を活動の中心としたデイサービスを作ろう――。定年を待たずに早期退職し、夫と共にデイサービス立ち上げに奮闘しました。

 『ももたろう』の最初の利用者として母を迎え、模索の日々が始まりました。コンセプト通り、早い段階から押絵をメインの活動とし、本格的な手芸ができるデイとして認知されていきました。午後のゆっくりできる時間を使って、母が備品の整備をしてくれました。手を洗った後に使うミニタオルには、すべて母が刺繍を入れてくれました。スリッパにも左右で柄を合わせた花柄の刺繡を。母が94歳で息を引き取った後も、他の利用者様が刺繍を引き継いでして下さっていましたが、ここ数年は刺繍のできる方がいらっしゃいません。

 今もお元気に通われている95 歳の方は、何年か前に手縫いで裁断から仕上げまで4 枚のトイレマットを作って下さり、今も使わせていただいています。「もう目が見えにくいので出来ない」と新作は断られ、刺繍をしていた午後の活動は『パズル』に代わりました。お散歩にもお誘いするのですが、「パズルをしているので、行けない」とやんわり断られます。このお方、以前はお一人でよくご自宅の周りを歩かれていましたが、一度躓かれてからは、余り歩かれなくなったと聞いています。家事は引き続きされているそうで、息子様への食事の支度・送り出しをされた後は、整頓された自室でゆったりと生活されています。

 96歳の方は、数年前にコースターを沢山作って下さいました。今も使わせていただいています。この方も目が見えにくくなったと言われ、午後の制作活動は休止しています。代わりにお散歩へお誘いし、900m位歩かれています。普段からご家族と一緒に歩かれているそうで、大変しっかりとした足取りで散歩を楽しまれています。自宅では家事もよくされ、使った食器をささっと綺麗に洗われるそうです。実は“ももたろう” でもコロナ禍前は、昼食のお弁当箱を2名の方がスタッフと一緒に洗い、皆様総出で拭いて頂いていました。今は感染予防を理由にしていません。多人数で行う『かるた』や『トランプ』もほぼお休みしています。それでも、状況に合わせて全員で何かを成し遂げたり、全員で楽しめる活動を用意しています。手芸もその方のできる力に合わせ、自宅に飾れるような“作品作り” を用意しています。

 “ももたろう時間” と“家時間” の両方が充実してこそ、良いケアと考えています。日々試行錯誤を続けながら“家時間” では出来ない事を模索しています。その方が取り組める最大限を目指し、何かに熱中できるような“ももたろう時間” を用意します。これからも『わくわく・ゆったり・楽しい』を合言葉に、スタッフ一丸となって工夫してまいります。

新年も“ももたろう” の活動にぜひご期待ください。

所長 沖津 みや子