■ モットーは『わくわく ゆったり 楽しく』

 “ももたろう”の歩みは、平成18年8月に開所した小規模型通所介護施設『デイサービス ももたろう』から始まりました。最初のお客様は所長の実母。市内のデイサービスを何件も利用したものの、満足して通う事の出来る施設が無く、家に閉じこもりがちになったという事実が、 『デイサービス ももたろう』 を立ち上げる原動力になりました。

「介護施設なんだから、この程度で良いのよ」

 時折他の介護現場から漏れ聞こえてくる、このような邪念に耳を貸さず、あくまで利用されるお客様が『わくわく・ゆったり・楽しく』生活できる場を提供する。これを合言葉に、様々な取り組みをしてきました。今ではありがたいことに“満員御礼”が続く通常規模型のデイサービスに成長しました。

ただのお喋りで時間を潰すより、手芸や書道など本気で取り組める本格的な活動を。
ただ体を動かすのではなく、散歩がてら草木の日々の成長を、仲間と一緒に観察する。
ただ歌うのではなく、生演奏に合わせて、ボイストレーナーの指導のもと向上を目指して歌う。

 デイサービス ももたろうは、お客様(利用される方ご本人)が主役のデイサービスを目指し、レクリエーションの充実を強みとして運営しております。習字や押絵、オカリナやウクレレ・アコーディオン等の生演奏をバックに合唱など、皆さまに『わくわく、ゆったり、楽しい時間』を過ごして頂ける本格的な活動を常に提供しております。

「介護だから」という理由で、『ももたろう』が妥協する事はありません。

 これは他のサービスでも同様で、今までの介護業界における常識に縛られることなく、常に革新的なサービスを追求しています。

■ 創業者より

 “ももたろう”の代表/デイサービスの所長を務める、沖津みや子です。“ももたろう”は、私の育った岡山を忘れないよう、初めてデイサービスを作った時からこの名前を使っています。

 “デイサービスももたろう”は、家族5人が住んでいた家屋を改装した、家庭的なデイサービスです。また、定員が計18名(平成28年4月から定員20名に増員)と少ないので、お友達や親戚の家に遊びに来た気持ちでいらして下さい。 我々スタッフも、わくわく ゆったり 楽しい1日をお過ごしいただけるように精いっぱいのおもてなしでお迎えいたします。

■ 『デイサービスももたろう』開所のきっかけ

guam

 今は亡き私の母は、平成17年3月に腸閉塞を患ってから、体力も気力もなくし、1日24時間のうち、21時間もの間、布団の中で横になって過ごしていました。そんな母を見て、孫である私の息子は言いました。

「うちのおばあちゃん、寝たきり老人なんだね。」

 腸閉塞が快方に向かった後も、そんな単調な日々を送っていました。平成17年12月、「最後の旅行」にせめて暖かい所へと、母をグアムに連れて行きました。
1日の殆どの時間を寝ている生活の母。3時間半ものフライトに耐えられるかが心配でした。しかし、さすが大正生まれ。困難や苦労を乗り越えて生きてきた母はこう言いました。

「ワイン飲んで、ご飯食べるとすぐ着くわ。」

 その言葉通り、何事もなく無事にグアム国際空港に到着しました。しかし、 グアムではドライブや海に行ったり、一日3回の食事にはレストランへも行かなくてはいけません。若い孫のリードで、寝ているような暇も時間もありません。『置いていかれては困る…』と母も必死でついてきました。グアムで一番感激していた場所は、横井庄一さんが生活していたという洞窟の展示でした。狭い洞窟を眺めては、「私も頑張らなくては…」と、しきりに言っていました。

 帰国後の変化には大変驚きました。毎日日記を付けはじめ、座る時間も長くなりました。昔、刺繍やパジャマを縫ってくれていたことを思い出し、「また趣味になるのでは」と、タオルと刺繍糸を用意しました。数日後、家中のタオルというタオル全部に、刺繍が入っていました私はこの経験から、“老人だから” “90歳だから”といってあきらめないで、環境を整えてあげれば元気が出てくることを思い知りました。

 実は、岡山で一人暮らしをしていた母を東京に引き取ってから、市内のデイサービスやショートステイを何件も利用しました。少々難しい性格の母に合うような施設はなかなか無く、「もうあんな所へは行かない!」とへそを曲げ、家族を困らせる事もしばしば。同じように行き場のないご老人が困っているのではないかと考え、定年退職した夫と共に、母が満足するようなデイサービスを目指して模索が始まりました。お互い介護に何の関わりも無い仕事をしていたため、賛成してくれる声は少なかったのですが、今までにないデイサービスを目指すには好都合でした。そして平成18年8月、“デイサービス ももたろう”の最初のお客様として母を迎え入れました。ちなみに、大きく顔が写っている女性が母です。一時は笑う事すら珍しかった母ですが、満面の笑みで楽しそうに過ごす姿を見て、今までやってきた事が間違っていなかったと確信しました。

 「おばあちゃんの仕事は、毎日テレビを観ること」と決めつけないで、感動や楽しみがないか周囲を見回して下さい。昔好きだった事や得意だった事は、今でも出来るかもしれません。何かに打ち込むことが出来れば、きっと世界は変わります。


■ 『ケアももたろう』(訪問介護)開所のきっかけ

 “デイサービスももたろう”が満員御礼の続くデイサービスになった頃、母はその盛況を見届けるようにして、老衰のため静かに亡くなりました。多少の物忘れこそあれ、認知症の様子は見られませんでした。晩年、母の在宅支援として訪問介護をお願いしていて、共に行う調理として包丁でサラダを調理してくれました。ひとりで包丁を持たせるのは難しいですが、ヘルパーさんとの調理は家族も安心でき、生活のハリにも繋がっていたようです。自宅での支援とデイサービスでの支援、その両方が上手く噛み合ってこそ、元気な在宅生活が維持できる秘訣と確信しました。

 そんな時、デイサービスに通っている一人暮らしの方からこんな話を聞きました。「私の家にお手伝いさんが来てくれているんだけど、いつも大きなバッグを持ってくるの。その日も大きなバッグを2個持ってきて、二階の掃除をしていたんだけど、後で行ってみたら毛皮のコートが無くなっていたの」と。認知症の診断もなく、しっかりとした方のお言葉です。この“お手伝いさん”とは、研修を何時間も受けた介護ヘルパーで、当然有資格者です。

 まさか盗んだとは思いませんが、この時感じました。介護認定を受けた方々のご自宅に訪問し、掃除や料理といった一般の家事を行ったり、身体介護で身の回りのお世話をすることは、単に作業をこなすだけではない事を。利用者様との何気ない会話の中から、体調や心境を察する能力こそが必要であり、家事や介護が出来れば誰でも出来るような、簡単な仕事ではないと。

 お客様のご自宅に訪問するには、信頼関係が絶対に必要です。 誰しもが安心してひとり暮らしを送れるよう願いを込め、 信頼関係を築ける能力があるスタッフを集めました。そして、平成24年9月に訪問介護事業所『ケア ももたろう』 を開所しました。


■ ももたろうのサービス3本柱

デイサービス(通所介護)

ももたろうの原点。多彩な趣味活動が人気です。感動・驚き・興奮といった刺激を大切にしています。曜日毎に設定された多彩な活動は、楽しみながら脳の活性化ができ、毎日通っても飽きないと評判です。

訪問サービス(訪問介護)

デイサービスももたろうで鍛えられた、明るく元気なスタッフがご自宅に伺い、ご自宅での課題を一緒に解決します。お客様ご自宅でのサービスですから、信頼できるスタッフのみを派遣しています。自立にむけた支援をお手伝いすると同時に、楽しみのある在宅生活をサポートします。

ケアプラン作成(居宅介護支援)

介護サービスを受けるためには、まず介護認定が必要です。その後、様々な介護サービスから必要なサービスを組み合わせたケアプランを作成し、実際のサービスが始まります。専門的な知識を持つケアマネジャーが、ご本人やご家族の希望・要望をくみ取り、最適な介護サービスを提案し、ケアプランを作成します。

■ ももたろうの沿革

平成18年8月 通所介護事業所『デイサービスももたろう』開設
平成20年1月 初の単独作品展『第1回作品展』開催
平成24年1月 『デイサービスももたろう』の定員増加(10名→18名)
平成24年3月 『みんなの手づくり展覧会』に出展
平成24年9月 訪問介護事業所『ケアももたろう』開設
平成25年1月 居宅介護支援事業所『ケアももたろう』開設
平成25年4月 居宅介護支援事業のケアマネジャー1名増員
平成28年4月 『デイサービスももたろう』の定員増加(18名→20名)
平成28年8月 『デイサービスももたろう』10周年記念 職員旅行
平成29年5月 『ケアももたろう』の事業所を本町3丁目に移転