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「お母さん、デイではどうしているのかしら?」「義母さん、皆さんに迷惑をかけていないかしら?」コロナの騒ぎの中、利用されている大切なご家族が、デイでどんな風に過ごされているのか心配だと思います。是非、いつでも来てください。「近くまで来たから」「時間が空いたから」と、電話1本掛けてお越しくだされば幸いです。
アコーディオンと共に【スタッフ編】
上に兄二人の長女として、川崎市生田で生まれた。その後、町田の団地を経て多摩市、現在は稲城市に住んでいる。体は大きいが、小さい頃は泣き虫で、言いたい事も言えないタイプだった。介護の仕事は『ももたろう』が初挑戦で、それまで30 年間ずっと飲食関連。学生の頃ファミレスでのアルバイトから始まり、新卒で某高級ホテルのレストラン部門へ就職。職場結婚で退職してからも、日比谷公園内にあるウェディングレストラン、カフェなど、料理に携わる職を続けた。料理が好き、食べるのも大好き。楽しく、華やかな雰囲気が大好き。料理には、その一皿に秘められた物語がある。
『デイサービス ももたろう』は今年の1月から働いていて、午前中はアコーディオンの演奏を皆さんに聴いていただいたり、歌ったりして楽しく過ごしている。『寅さん』から始まり、30 曲ほど演奏し、最後に『ふるさと』で締めくくる。「感激したわ」と皆さんが笑顔になるのが大好き。
アコーディオンを演奏するようになったのは、5 年前に父を亡くしたから。実は、父と母に確執があり、私が小学6年生の時に母が家を出て以来、父と母はほとんど顔を合わせていない。母は、父の居ない時間に自宅へ手料理を作りにきてくれた。その手料理に愛情を託して――。大人になってからも父を許す事がどうしても出来ず、子供達がお年玉をねだるために、正月に会うか会わないかという疎遠な関係だった。「一人は寂しい」と漏らす父は、書道や俳句、見守りボランティア等で、人との繋がりを父なりに作っていたようだ。父が亡くなって初めて「もう会えないんだ」と強烈な後悔とショックが襲った。時を同じくして、大好きだったウェディングレストランの仕事を辞めざるを得ず、心にぽっかりと、大きな穴が開いてしまった。何も手につかず1年近く毎日泣いていた。押しつぶされそうな時は、アストロ・ピアソラのタンゴを聴いた。そんなある日、アコーディオンの演奏会がルミエール府中で催される事を知り、聴きに行った。そこで住んでいる稲城市にもアコーディオン同好会があることを知り、3日後に見学へ行ったのが、アコーディオン人生の始まり。経緯は忘れたが、小学校の頃に全校生徒を前にしてアコーディオンで校歌を演奏した事や、ピアノを習っていた事、体格的に向いている事も重なり「弾けちゃった」。あれから5年、今は日本が誇るアコーディオン奏者である御喜美江先生の孫弟子となり、大田智美先生に指導を受けている。『愛の賛歌』を弾いてコンクールでの入賞も果たした。稲城市のボランティア登録も済ませ、数々の高齢者施設で演奏し、石巻へ三日間の慰問コンサートへも二度行った。高齢の方々に父の姿を重ね、罪の償いをしているのかもしれない。介護の資格を取ったのも自然な流れだった。
『ももたろう』に勤める事になったのは、資格取得をした学校で『ももたろう』のチラシを見たのがきっかけ。スローガンである『わくわく、ゆったり、楽しく』に共鳴した。ボランティアを通じ、大小さまざまな施設を見てきたが、明るく楽しい雰囲気で食事も美味しく、一日一日を無駄にすることなく過ごせるような施設を、他には知らない。大きな水槽で泳ぐ美しい熱帯魚や、押絵作品や習字の質の高さにも驚いた。まるで友人の家に招かれたかのように、利用者の方々が自然に、生き生きと過ごされているのを見て、これこそ高齢者施設の理想と感じた。『ももたろう』で働くようになってから、“音楽で人々を笑顔にしたい” と思うようになった。表情も感情も希薄だった方が、音楽を通じて激変するのを目の当たりにしたのだ。認知力が低下しくると、耳で音楽を聴くだけの刺激では効果が薄く、視覚からの情報を合わせていく事がとても重要だ。今後も勉強を重ね、音楽療法を極めたいと思っている。
もうひとつの自慢は、マラソン。きっかけは、東京マラソンで火がついたマラソンブーム。当時、日比谷に勤めていたため、皇居ランに憧れていた。大人しい性格だったため運動には無縁だったが、走ってみると意外に走れてしまい、マラソンを始めて半年後に出場した『霞ヶ浦マラソン』を4時間36分で完走。速くないがスタミナはある事に気付き、フルマラソンを超える“ウルトラマラソン”に挑戦すべく毎月200km の走り込みをし、日比谷公園から稲城の自宅まで走って帰ったりもした。そして7年前『第1回 柴又100K』に出場。メダルこそ貰えなかったが、100kmを14時間51 分で完走した。
40 代で色々な経験をして今がある。人の喜ぶ顔が好き。音楽とおもてなしの心を大切にしながら、毎日充実した日々を過ごしたい。目標は、私を救ってくれたアコーディオンを生活の大部分にする事!