活動報告2023/10月号裏面記事を抜粋・一部加筆しています。

 皆様の脳は元気ですか?最新の脳科学研究が詰まった、脳神経外科医・サンジェイ グプタ著『SHARPBRAIN たった12週間で天才脳を養う方法』(文響社)によると、脳細胞はいくつになっても鍛えられるそうです。本書で紹介されている脳に良い習慣とは、“適度な運動・バランスの良い食事・社会的交流・頭脳トレーニング・ストレス管理・十分な睡眠” が大切と説かれ、それぞれ詳しく解説されていますので、ぜひ手に取ってみてください。“デイサービスももたろう” の活動には、“脳に良い習慣” がたくさん含まれていました。

【適度な運動】
健康体操や竹踏み運動など、毎日意識的に活動へ加えています。また、金曜日のアウトドアや、気候の良い日の午後などは遊歩道の散策なども行っています。汗をかくほどの激しい運動でなくても、心拍数の上がる運動を取り入れることが大切です。

【バランスの良い食事】
知る人ぞ知る『いなり木』の弁当を中心に、栄養バランスの優れたおいしい昼食を提供しています。食事形態は一般のお弁当と同じで、高齢者向けにあえて柔らかくすることはせず、本来の食事を楽しめます。口腔体操や口腔ケア、歯科衛生士による個別ケアにも力を入れ、いつまでもおいしく食べられるよう支援しています。噛む動作や衝撃によって、脳への刺激が伝わります。口腔ケアは脳卒中や胃がんなどの予防にも大きな効果があるそうで、「口は健康の入り口」とはよく言ったものです。 

【社会的交流】
一日を通して仲間やスタッフと一緒に生活するため、深い交流が図れます。午前中はフロア全体での活動が主となるため、講師や他の参加者との交流も豊富です。昼食を一緒に食べた後は、気の合う仲間とゆったりとした時間を過ごし談笑も活発です。

【頭脳トレーニング】
手芸やレクなど毎日違う豊富な活動は、それぞれ専門的なスキルを持ったスタッフが対応しています。マンネリ化することなく、常に新しい発見や刺激に溢れています。午後は『点つなぎ』や『パズル』など手先を使う活動も人気ですし、帰りの会でも脳トレ活動が豊富に用意されています。

【ストレス管理】
生理的/ 社会的なストレスを抱えたままにならないよう、スタッフが常に様子を観察し、必要なケアしています。楽器の生演奏もストレスを和らげますし、気の置けない仲間とのおしゃべりや、個別での傾聴、アロマテラピー、整体やマッサージなどの活動で癒しの時間を提供しています。

【十分な睡眠】
“オン” であるデイで一日生活すると、“オフ” の家で過ごすよりも確実に疲れます。オンとオフを明確にすることで、夜はぐっすり眠ることができるでしょう。また、一日型のデイであるため、生活のリズムも整いやすいです。

 上記に挙げた【脳に良い習慣】は、脳内の老廃物を洗い流す脳脊髄液の流れを改善し、認知症の発症を予防するという説があります。最新の研究では視覚や聴覚刺激だけで、脳脊髄液の流れが活性化されることもわかってきました。また、認知症と間違われることもある「鬱」も生活の質を大きく落とす要因です。特に危険なのが、高齢者の生活にありがちな「誰ともかかわらない」ことで、孤独は心を蝕んでいきます。他者と様々な刺激や社会的な交流を持つことで、“幸せホルモン” の分泌が促進され、心の健康を保つことにも繋がります。

 最近は半日型の運動系デイが多くなっています。カラダを鍛える事はもちろん大切ですし、健康な生活の基本です。そこへ脳にも良い活動を取り入れていきましょう。ご自分で取り組むのが難しければ、“ももたろう” へどうぞ。食事にバランスが大切なように、介護サービスもバランスよく利用したいものですね。