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書道と言えば、102 歳のお二人を思い出します。お二人とも書道が大好きで、お上手でした。お一人は書かれるとき必ず立ち上がって書かれていました。もうお一方はいつもスカートを履かれ、ご自宅では布団の上げ下げもされていました。この事を現在最年長である 95歳の方に話しますと...「じゃあ私は103 歳まで頑張るわ!」と。

生涯現役であるために

 “デイサービス ももたろう” の書道講師を始め、早2年半が経ちました。毎週木曜日に20名の方々に書道をお教えしていますが、皆様大変集中して取り組まれています。全員が全員高い熱意や意欲を持ち、真剣に書に向かわれるデイサービスも珍しいと感じています。先代の先生による優れた指導や、積み重ねてきた歴史の重みを感じます。

 書道は私の趣味の一部で、私の趣味を一言で表すと『ここう・ドン・ヒャ・ラン』になります。『ここう』(孤鴻)は、私の雅号で「書道」を表し、『ドン』は「和太鼓」。『ヒャラ』は「篠笛」。そして『ラン』は、ランニング。それらの中でも、トップに挙げられる趣味が日本古来の「篠笛」です。あの「笛吹童子」でお馴染みのヒヤラーリ・ヒャラリーコ・・・の懐かしい音色は、篠笛そのもの。この篠笛の妙なる調べに魅せられて早ウン十年。今は、民謡系グループとジャズ系グループに所属し、童謡、唱歌から歌謡曲・民謡・ジャズ・クラシックまであらゆるジャンルに挑戦して篠笛を楽しんでします。ボランティア演奏の機会があると、施設などでも披露しています。

 そもそも子どもの頃から大の音楽好きで、小学生の頃は近所のお兄さんお姉さん達の器楽サークルに所属し、運動会では大太鼓を叩いていました。中学、高校ではブラスバンドで管楽器のアルトホーン・フルートを担当し、高校卒業後はブラスバンドの同輩達とバンドを組み10年間スタンダードジャズ・ハワイアン・ムード歌謡など時代に合わせたアンサンブルを楽しんできました。このころ学んだのがウクレレやギターなどの弦楽器。社会人になってからは職場で10人程のアンサンブルサークルを結成し、主にギターを担当して編曲なども手掛けるようになりました。そして30代に入ってから和楽器の世界に目が向き始めました。先ず「和太鼓」のグループに入り大中小の太鼓から綿太鼓、それぞれの魅力にとりつかれ併せて様々な打楽器にも親しむことができました。太鼓には笛がつきもので肝心の「篠笛」はこのころから吹き始め、やがて情歌やポップス・世界の民謡のジャンルにも入っていくことになります。和の音楽は「間」とか「小節」など洋楽には無い概念があり、最初は戸惑いましたがやがて慣れていくと、何も言えず楽しい演奏につながっていくものだという事が分かってきました。衣装服は言うに及ばず、仙台平の袴をつけドップリと和の世界に浸かりました。

 書道も30代に始めたもので、動機は「年賀状を筆で書いてみたい」という極々素朴な思いからでした。ところが、中々思うようには進みません。一応体裁が整うようになったのはその後 20 年も経ってからでした。幸い「毛筆」だけでなく「硬筆」(ペン習字)まで手掛けることができ、のちのち色々な場面に対応できることに繋がりました。各種手本は勿論のこと消防団員の名札・表札・表彰状・店舗の看板・横断幕などなど・・・依頼されたものはどれもこれも易しいものは無く苦労しながら書き上げた覚えがあります。現在では自宅で篠笛教室とともに書道教室を開きながらデイサービス施設などの書道ボランティア活動に携わっています。今では趣味というより本職と言えるかもしれません。

 ジョギングもやはり30代に始めました。多摩川サイクリングロードを毎週日曜日に、40人の仲間と5~6 km 走り、各地のロードレースに参加していのですが残念ながらフルマラソンには届きませんでした。ただ、現在も毎朝1時間程度のウォーキング(やや速足)を欠かさず続けられているのはこの頃走り込んだお陰だと思います。尚、府中市では『元旦マラソン』なるイベントが続いており、これに40年近く参加しています。元旦の早朝に、自宅から浅間山まで各自それぞれ走っていき、山頂で御来光を仰ぐというもの。ジョギングの仲間で参加し御来光を仰いだ後はお神酒を頂戴し、その後、大國魂神社まで走って行って初詣。各自持参のおせち料理を肴にビールやら日本酒やらワインやらを頂くというのが恒例となっています。走った後だけにその時に戴くビールの美味しさはチョー格別です。もう止められません。

 その他にも英会話や映画鑑賞、読書などの趣味もあり、時間が足りない程充実した毎日を過ごしています。振り返ってみると、そのどれもが自分にとって有益で、でもそれは指導して下さった先生方や多くの先輩・仲間の励ましや家族のバックアップがあってこそのもの。ある時期から、自分のできる事で少しでも「社会に恩返したい」「人に伝承していきたい」と考えるようになりました。書や篠笛のボランティア活動に力を注げるのも今迄のそんな思いから湧き出てくるもので、これからもその思いは大切にしたいと考えています。“一人でも、仲間とでも、歳をとってでもできる趣味” を若いうちからいくつか作っておく事をお勧めします。“熱意と、良い講師、良い仲間”が揃えば、人生においてもきっと素晴らしい変化が起こります。