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開所から17 年間『押絵』制作の全てをしてくれた太田英子が11 月で引退します。太田のお母さまが通うデイの作品は、その日に役目を終えるものばかり―。「飾れる作品を作りたい」と熱く指導してくれました。ある方は棺に押絵作品入れ、共に旅立ったそうです。今後もその意思を継ぎ、押絵制作を継続する予定です。ご期待ください。

11 月8 日は「いい歯の日」

 今年の2月から“ももたろう” の一員として働いている陸田真弓(むつだまゆみ)と申します。介護職員兼歯科衛生士として毎日皆さまと楽しく過ごしております。“ももたろう” の前は訪問歯科で働いており、老健・グループホーム・特別養護老人ホーム・療養型病院へ往診に出向き、多い時では一日20 人の口腔ケアを行っていました。それこそ状況も環境も色々で、濃ゅーい経験が積めました。そこで歯科医師の先生に言われた言葉が今でも忘れられません。「衛生士さんが定期的にみてあげることによって、色々な疾患や異常を早期に見つけることができて、早期治療や予防につながっている。とても大切な役割なんだよ。」と。口腔ケアは歯の喪失など歯科的な予防だけでなく、心疾患や認知症、癌の予防まで幅広い効果が期待されています。歯の健康を守ることが、まわりまわって皆様の命を守ることにもなる大切な事だと教えられました。

 “ももたろう” のお昼はいわゆる介護食とは違って、一般の仕出し弁当です。このお昼ご飯を楽しみにされている方も多く、ご自身の歯でおいしく召し上がって頂いて、心も体も健康な状態を維持してほしいと願っています。着任早々始めたのが、食事前の口腔体操「あいうえべー」や「パタカラ体操」、「唾液腺マッサージ」、「早口言葉」です。お口の筋肉を動かしてお食事前の準備運動をします。また、声を出すことによって喉の開きを良くし、咀嚼した食べ物がスムーズに胃へ送り込めるように体操しています。おかずの大きさも一人一人の状況に合わせた形状にカットするようになり、以前は食べにくくて残されていた方も、カットすることにより完食できる事が増えました。また、早食い傾向の方にもゆっくり召し上がる効果があり、食事中の咳払いやむせ込みが減った気がします。ご高齢になってくると歯周病や虫歯などで歯を喪失してしまい、あまり咀嚼せず丸のみに近い状態で召し上がることもありますが、噛まずに飲み込んでいると逆流性食道炎や誤飲に繋がる恐れもあるため「よく噛んで、ゆっくり召し上がってくださいね」とお食事中にお声掛けしています。お食事を召し上がった後は、セルフ口腔ケアの時間です。本格的なセルフ口腔ケアを導入する前段階として、全員の方にうがいを行って頂きました。食後のうがいだけでも食べカスが出せ、すっきりするのを体感いただきました。入れ歯をしている方は入れ歯を外してブクブクうがいを、ご自身で歯ブラシを持参されている方は歯みがきをして頂きました。食後にお口をサッパリさせてから午後の活動に取り組むという習慣性を持ってもらうことで、ご自宅でも「食後は歯を磨く」事を習慣化できればと考えています。一気に新しい事に取り組んでも拒絶感が出てしまうため、このようにゆっくりと時間を掛けて口腔ケアの文化を導入していきました。

 10 月に入ってから、歯ブラシや義歯ブラシの集中管理、口腔機能向上加算による個別ケアを本格的に開始しました。予想通り、個別ケアは「人に口の中を見られたくない」と拒絶された方もいらっしゃいました。「一度でいいからケアを行い、嫌だったら止めましょう」と何度もお話しをして了承を貰いました。実施当日の朝も「口の中を見られるぐらいなら、裸を見られた方がまし!!」とネガティブな発言ありましたが、いざ口腔ケアを行い、歯間に詰まった汚れ落としや、入れ歯もきれいにすると「すごく気持ちが良い!お金を払ってでも毎日やってもらいたい!」「裸を見せる方が良いなんて言ってごめんなさいね」と、歯科衛生士冥利に尽きるお言葉を頂きました。他の利用者様からも「とても気持ちがいい」「ここが詰まりやすくて」等、気持ちや悩みを伺う事で、アドバイスやサポートに入ってくれるスタッフへの情報提供も図れています。

 『健口』でいるためには「予防」「早期発見」「早期治療」の3本柱が重要です。歯科受診した方が良いと判断したら速やかに医療へ繋げられるよう支援していきます。いつまでも皆さまがご自身の歯で、おいしい食事を召し上がれるようにサポートすることが、“ももたろう” での私の使命だと思っております。

 明日の健康は今日の歯みがきから!健康のために、口腔ケアを習慣化していきましょう。